幸福の法則

 誰もが御存知のとおり、人は独りでは生きていません。人との接触を嫌い遠く山奥で生活をしている者でさえ“誰かが作った釘を使って家を建て、他の誰かが作った服を着て、多くの人の間を経由して手元に届いた油を使って灯をともし、誰かが書いた本を読んでいる”ことでしょう。また、人は独りでは自分の子孫も作ることが出来ません。
 色々な形で多くの人が他人の恩恵にあずかって生きており、その恩恵なしに今の生活を得るのは不可能と言えるでしょう。自分と他人は密接に関わり合っており、“他人の存在無しでは自分の存在は有り得ない”とも言えるのではないでしょうか。
 現代社会において、多くの人がその根本的な理屈を忘れている様に思えます。いつの間にか、自分が・・・、自分さえ良ければ・・・っと言う利己主義的な考えになっているのではないでしょうか?
 本当に自分さえ良ければ良いのでしょうか?
 自分だけ富を独占し、物質的に満たされた生活を得て幸福感を感じていても、周りで生活している者は富を独占されているのだから、何れ、周りから嫉まれ、疎まれ、憎まれ、命の危険さえも感じる様になるのは必至です。
 また、貴方がもし、『私は自分さえ良ければいいんだ』っと公言する者を前にしたらどうでしょうか、『こんな奴とは話しもしたくない』『何でこんな奴と話しせなあかんねん』っと思う筈です。そんな奴が困っていても助ける気にはなれないでしょう。
 周りの人から愛されない、そんな生活が幸福でしょうか。結局は、『自分さえ良ければ・・・』っと言う考えが自分の立場を悪くしてしまうのです。
 自分さえ良ければと思っていても、周りと密接に関わっている以上、周りの人が幸せにならなければ自分も幸せになれないのです。周りの人が幸福であるからこそ自分も愛され、その恩恵を受けることが出来るのです。『情けは人の為ならず。』っと言いますが、情けは自分の為にかけるものです。
 『人を幸福にすれば、自分も幸福になれる。』
これが幸福の法則です。